(6)別れのとき

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スムウキイのこと  ⑥ 

別れのとき


 シンガー
 ミュージシャン
 ヴォーカル講師
 イタ飯やさん
 バイクやさん
 音楽事務所経営?
 詩を書くひと
 イラスト描くひと
 あと・・・ わからん



さまざまなカオを持つスムウキイ。
彼の活動の拠点は今、京都である。

その京都での仕事があまりにも多忙になったとき・・・
(私が彼の弟子になって半年ほど経った、おととしの12月)
彼は、私に(そしてもう一人の弟子の女の子を前にして)
スタジオの中で、こう言った。

「今、どうしても忙しくて・・・ 
年が明けたら何度か海外に行く仕事もできてしまい、
申し訳ないですが、しばらくヤマハを休むことにしました。」

3~4ヶ月休んで、そのあと復帰する。という話だった。

 (確かに。 ここしばらくの間、スムウキイは
 ヤマハへの入り時間に必ず遅刻してきていた。
 京都での仕事を終えてヤマハへ駆けつけるのが
 タイヘンそうだった。
 あまりに大幅な遅刻のときは、時間がなくて
 私の前のレッスン時間の女の子や、あとの男の子と
 急きょグループレッスンという形になったこともあった。)


突然の休業宣言に、
一緒に聞いていた女の子はショックを受けていた。
「先生、絶対戻ってきてや。約束やで!」 と、その子は言った。

私は「困ります。」と言った。 
「私の方から京都に(習いに)行く!!!」と訴えた。

だって・・・
「約束やで」と言った女の子に、スムウキイは
「うん、戻ってきますよ」 と答えていたけれど
私はーー
彼がもう戻ってこないことを、なんでか確信に満ちた感覚で感じたから。

いったん休んでしまったら、彼はきっと帰っては来ない。

そんなはっきりとした予感が、
私の心の端っこに、やけに冷静に貼り付いていた。


そして・・・
私の予感は
悲しいことに、はずれることはなかった。

4月になっても5月になってもスムウキイは帰っては来なかった。

まだかまだかと持ち続け、
そして、とうとう
「もう戻らない」ーーー はっきりした答えを聞いたとき
「やっぱり」と思いながらも、
私は、とても落胆した。

戻ってくるって ゆうたやん
休むだけって ゆうたやん

けれど・・・
不思議なことに・・・
ちょっとホッとしてる自分もいたんだ。

と、いうのも。

彼のレッスンは
何が出てくるかわからない
ドキドキの玉手箱のようだったけど

「スムウキイの歌が聴ける~
などという浮わついた“チャラ男”根性の私にとっては
宝の持ちぐされとも言うべき、ひじょうにもったいない、
厳しいレッスンだったから。

 レッスン以外の日常で、毎日欠かさずブレス練習
 (腹筋を使って吐き出す息をコントロールすながら出す練習)を
 している・・・ という前提で、当然、レッスンを進めていくので。
 そのつもりで。(ボクのレッスンに出る限りは!)
 
 というスタンスのレッスンだったのだ
 


それに
スムウキイの後任となってくれたSK先生に
私はすでに慣れつつあり、心地よく感じ始めてもいた。

毎日ブレス。毎日ブレス。って
プレッシャーのレッスンに戻らなくてすむ

それにそれに
今は違っても、
スムウキイに教えてもらった時間は確実に存在したわけで。
それは私のキラキラした財産となって。

これからは・・・
「師匠と弟子」でなく、
そう  晴れて“いちファン”になれる
それは・・・悪い話ではナイのかもしれない

そう思ったんだ。


  つ づ く  



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